ボストン大学のサマーも終わったことだし、来週からMITも始まるので、これまでの整理と(溜まっていたブログ書きもあり)今日は自宅でゆっくりした。久しぶりにテレビのNewsと新聞を見て感じたことは次のこと。
1.ロシア潜水艦救助活動のNewsがこちらでは頻繁に放送されている(極東で航行中のロシア潜水艦が海底の網に引っかかって動けなくなり、現在7名が閉じ込められているNews)。朝のBoston Globeでも1面に載っていた。朝Boston Globeを読んだ時にイギリス、アメリカに加え日本も救援隊を極東に急行させたと書いてあり、「おっ、日本の海上自衛隊もやるな。日本の救援活動が世界に伝わっていいこと。」と思っていたが、夕方、夜になっても日本の救援隊が到着したとの放送は一切無し。英米の救援隊が既に到着し、救助を始めたとのNewsだけ。各国で救援隊の役割分担をしていて、日本は船を送っているので他と比べて時間が掛かるのかもしれないけど、日本、遅い!今回はカムチャツカ沖だから日本が一番近いでしょ。真っ先について活動を始めていたらすごい宣伝効果にもなったのに、、、と残念。政府の対応の上手さで日本はもっと尊敬される国になれるのにー、と感じた。頼む海自、この事件が解決してから到着なんてかっこ悪いことはしないでね。(といって書いているうちに、本件解決したらしい。全員救助で大変喜ばしいが、日本の海自はたぶん到着しておらず、結局Newsには一切出てこず。んもっ。)
2.原爆の話。今年は終戦60年目。アメリカの社会は原爆について何を考えているか、知る良い機会だと思い新聞を読んでみる(テレビでも広島の平和記念式典のNewsが放映されていた。30秒足らずと短いが、24万人の死者数は正確に伝えていた)。ネタ元はBoston Globe(ここはNew York Times系列)。
August 5, World WarⅡ and the fog of history(by H.D.S. Grenway):
(以下、記事の内容) 戦後60年経つが、第二次世界大戦の評価は未だにまとまらないし、今後もまとまらないだろう。日本は戦時中の行いについて何度も謝っているにも関わらず中国と歴史問題で未だにもめている。東南アジア、インドは確かに日本と戦ったが、一方で英仏独からの解放のため日本軍に協力した人々も相当な数いる。ドイツはナチの行為について枢軸国(the Axis powers)の中で最も明確に罪を認め謝罪しているが、ヨーロッパでも複雑な事情がある。実はフィンランド軍やフランス軍さえも(しかも過半数のフランス軍が)戦時中、ナチに協力していた。また終戦後、ロシアに多くのドイツ人が抑留され亡くなったし、近年になって2百万人のドイツ人女性がロシア軍の被害にあっていたという事実が明るみになった。ドイツでは自分達こそ被害者と思う人も多い。この様に歴史には様々な側面があり評価が定まらない。ハンブルグ、ドレスデン、東京への空爆は同盟国(the Allies)が負けていれば戦争犯罪と見なされただろうし、広島へ原爆を投下した行為のmoralを疑う人は多い。(客観的な見方をしているな、と思ったが、最後の箇所に)”even more Japanese lives were saved than American by the (atomic)bomb, because the Japanese were prepared to resist an invasion to the last man, woman, and child.”とある(これがアメリカ的な見方なのだろう)。そしてclosing wordは”But there is no agreement on that now, and perhaps there will never be.”。
August6, It’s Hiroshima day – don’t look away(by M.Torgovnick. Duke教授):
広島に原爆を投下したことはアメリカ人をambiguous, unpleasant, or even guiltyな立場に置いた。原爆投下には色々な理由があるだろうが、その後、核の時代が来たし、核開発は更に進んでいる。この核の存在は我々のlife conditionであり、どう付き合うかを今こそ考えるべきである(この記事は投下の是非を議論するというより、この60年目を機会に、人々は核とどう付き合っていくか考えるべき、という主張)。
August 6, US saw spread of nuclear arms as ‘inevitable’(by B.Bender):
この記事は、原爆投下の写真を掲載しているが、広島の記事は無い。戦後、核拡散が進んだことを述べ、アメリカ政府の核拡散防止努力を説明している。イラン、北朝鮮の核保有に警告を鳴らしている(個人的にはイスラエルの核保有ももっと問題にすべきだと思うのだが、アメリカでは全く問題にされていない)。
以上、読んでみたが、総じて原爆投下の行為に対する是非を論じている雰囲気は無い。アメリカ側の論調は、「戦争を早期に終結させ、アメリカ軍兵士の生命、更には最後まで戦う覚悟を決めていた日本人の生命を救うために原爆を投下したのであり、罪なき民衆の生命を奪った点では道徳上問題はあったが、総じて仕方の無い行為であった。」というところであろう。この問題は難しい。アメリカを一方的に非難するのは簡単だが、アメリカ側が何を考えているのかも知っておく必要がある。この問題で非難合戦をしても生産的ではないのかもしれない。日本の役割は唯一の被爆国として核廃絶を世界に訴えかけることなのだろう。確か広島市長が世界の都市に核廃絶運動参加を呼びかける手紙を出し続けていると読んだことがあるが、国家間での議論よりも、民衆レベルでの核廃絶運動の輪を広げていく方が現実的なのだろう(民主主義が機能しているのであれば、民衆レベルで核廃絶の声を大にしていくと各国政府は核保有を再考するはず?)。